手紙文の構成

2017年8月8日

例文

拝啓(頭語) 残暑厳しき折、(時候の挨拶)その後いかがお過ごしでしょうか。(安否の挨拶)
さて、(起辞)この度はご丁重なお品を頂戴いたしまして、
誠にありがとうございます。(主文)
家族一同大喜びで、その夜の夕食に賞味させていただきました。
機会あればぜひ拙宅にお立ち寄りください。(結びのことば)
時節柄お体にはくれぐれもお気をつけください。   敬具(結語)
  三月二十日(日付)
山田かおり(署名)
山本太郎様(宛名)
追伸 先月の件はあらためてご連絡いたします。(副文)

これらに肉付けしたり省略するなどして自分の手紙を作ります。 読みづらくなるので文字の詰め込みすぎには注意し、余白にも配慮しましょう。

頭語

手紙のいちばん最初にくることばで一文字程度下げて書きましょう。 相手との関係によって使い分ける必要があります。

頭語/往信 用語 女性の場合
通常 ・拝啓(はいけい) ・啓上(けいじょう)
・拝呈(はいてい) ・一筆啓上(いっぴつけいじょう)
一筆申し上げます
丁寧 ・粛啓(しゅくけい)・恭啓(きょうけい)
・拝呈(はいてい) ・一筆啓上(いっぴつけいじょう)
謹んで申し上げます
前文省略 ・前略(ぜんりゃく)・略啓(りゃくけい)
・冠省(かんしょう)・前省(ぜんしょう)
・略陳(りゃくちん)・略省(りゃくしょう)
・前略お許しください
・前略ごめんくださいませ
急用 ・急啓(きゅうけい)・急呈(きゅうてい)
・急白(きゅうはく)
取り急ぎ申し上げます
再信 ・再啓(さいけい) ・再呈(さいてい)
・追呈(ついてい)
重ねて申し上げます

時候の挨拶(春夏秋冬)

頭語から改行して次の行から書くか、改行せずに一文字あけて書きましょう。
様々な挨拶例を記載しましたが、自分の言葉で綴っても構いません。
なお、表中にある「候」「みぎり」「折」はそれぞれを差し替えて使うこともできます。

陰暦 二十四節気 挨拶例 主なイベント
三月 弥生 ・啓蟄
・春分
・弥生三月
・早春の候
・寒さもゆるみはじめ
・日に日に春めいてまいりましたが
・春色にわかに動きはじめ
・桜前線も北上し
・暑さ寒さも彼岸までとはよく申したもので
・ひな祭り
・卒業式
・春のお彼岸
四月 卯月 ・清明
・穀雨
・陽春のみぎり
・新緑の季節
・桜花の季節
・春眠暁を覚えずで気持ちよい陽気に居眠りばかりの日々です
・春もたけなわとなり
・エイプリルフール
・入学式
五月 皐月 ・立夏
・小雨
・風薫る5月
・晩春の折
・暮春のみぎり
・薄春のみぎり
・健やかな若芽が庭に顔を出し始め
・若草の萌え立つこの頃
・ときに汗ばむ日もあり
・ゴールデンウィーク
・こどもの日
・母の日
陰暦 二十四節気 挨拶例 主なイベント
六月 水無月 ・芒種
・夏至
・初夏の候
・麦秋の候
・向暑のみぎり
・うっとおしい梅雨に入りました
・梅雨の晴れ間のすがすがしさ
・初夏の風が心地よく
・衣替えの季節となりましたが
・木々の緑も鮮やかになり
・田植えの季節ですが
・衣替え
・田植え
・父の日
七月 文月 ・小暑
・大暑
・ようやく梅雨もあけ
・盛夏の候
・猛暑の季節
・海や山が恋しい季節となりました
・寝苦しい夜が続きますが
・山開き
・海開き
・七夕
・お盆
・お中元
八月 葉月 ・立秋
・処暑
・残暑の折
・晩夏の候
・いまだ厳しい暑さが続く毎日ですが
・朝夕はすっかり秋の気配となり
・朝夕は少ししのぎやすくなり
・旧盆
・盆踊り
・夏祭り
・終戦記念日
陰暦 二十四節気 挨拶例 主なイベント
九月 長月 ・白露
・秋分
・初秋の候
・新秋の折
・空の青さに深みがかかり
・赤トンボをちらほら見かける季節
・天高く馬肥ゆる秋と申しますが
・台風一過
・柿の実も熟れ始め
・虫の声
・敬老の日
・秋のお彼岸
・月見
十月 神無月 ・寒露
・霜降
・秋たけなわの季節
・仲秋の折
・紅葉を楽しむ季節となってきました
・爽やかな秋空
・秋の味覚に舌鼓を
・衣替え
・体育の日
・稲刈り
・ハロウィン
十一月 霜月 ・立冬
・小雪
・晩秋の折
・木枯らしの季節
・落ち葉が目立つ季節
・鍋ものが美味しい季節となりました
・文化の日
・勤労感謝の日
 陰暦 二十四節気 挨拶例 主なイベント
十二月 師走 ・大雪
・冬至
・初冬の候
・月日の経つのは早いもので
・今年も残すところわずかとなってまいりました
・何かとせわしい毎日をお過ごしのことと思います。
・お歳暮
・初雪
・仕事納め
・クリスマス
・大晦日
・除夜の鐘
一月 睦月 ・小寒
・大寒
・新春の候
・厳冬の折
・寒中お見舞い申し上げます
・寒気が身にしみる今日このごろ
・年賀状ありがたく拝見いたしました
・こたつが恋しい季節となりました
・元旦
・初詣
・書初め
・仕事始め
・松納め
・七草粥
・鏡開き
・成人の日
二月 如月 ・立春
・雨水
・晩冬のみぎり
・ようやく寒さも和らいでまいりました
・春の気配を感じる今日このごろ
・節分の豆まきで昨年の厄払いができたようです
・節分
・建国記念日
・バレンタインデー
・雪解け
・春一番

安否・感謝・侘びの挨拶

まず相手の様子を聞いてから自分のことを述べるのが礼儀です。
見舞いの手紙なら病気の相手に安否を問うのは不自然なため、容体を気づかう言葉となります。
また日頃のお世話への感謝や、返事が遅れてしまった場合はお詫びを書きましょう。
頭語からここまでが手紙の前文となり、この後用件に入ります。

通常 丁寧
相手側の安否を問う ・皆さまにもお変わりありませんか
・その後どのような様子か心配しています
・お元気と聞いて安心しました
・貴家、ますますご清祥の段、慶賀の至に存じます
・ご容体はいかがでしょうか、ご案じ申し上げます
・ご尊家の皆様にはいよいよご清福の由、大慶に存じます
自分側の安否を述べる ・こちらはみんな元気です
・とりたてて問題もなくのんびり過ごしています
・風邪が良くならず困っています
・私ども一同、別状なく過ごしております故、余事ながらご放念ください
感謝する ・やさしい心づかい本当に感謝しています
・先般はご迷惑をおかけしました
・お手紙どうもありがとう
・並々ならぬご高配を賜り心より感謝いたしております
・日頃から大変お世話になっております
詫びる ・ご返事がたいへん遅れてしまいました
・すっかりご無沙汰してしまいました
・ずいぶんと心配をかけてしまいました
・心ならずもご返事がたいへん遅くなり申し訳ございませn
・この度はとんだご迷惑をおかけいたしました

結びのことば

用件を書き終えたら結びの言葉で手紙全体をしめくくります。
手際のよい簡潔な結び文は手紙を引き締めるので、用件が終わったからといって書き忘れないように注意しましょう。

通常 丁寧
用件のみ ・右 用件まで
・とりあえずご案内まで
・なにぶんよろしく
・略儀ながら書中をもってご挨拶に代えさせていただきます
・取り急ぎ用件のみにて失礼いたします
返信を願う ・お返事お待ちしています
・とりたてて問題もなくのんびり過ごしています
・風邪が良くならず困っています
・恐縮ながらご返事を賜りますようよろしくお願い申し上げます
自愛 ・お体をくれぐれも大切に
・どうぞお大事に
・くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます
伝言 ・お父さんにもよろしく伝えてください
・主人からのよろしくとのこと
・ご主人様にもよろしくお伝えください
・父からもよろしくとのことでございます
詫び 今回は本当に迷惑をかけてしまいました。ごめんなさい。 ・以上、乱筆乱文にて失礼いたします
・ご迷惑をおかけいたしますがご寛容のほどお願い申し上げます
愛顧を願う ・これからも何かあったときは力を貸してください
・末永いお付き合いをよろしくお願いします
・これからもご指導のほどよろしくお願いいたします
・今後ともご高配を賜りますようお願い申し上げます
活躍・幸福を祈る ・今後もお仕事頑張ってください
・お幸せに
・今後も一層の活躍をお祈り申し上げます
・末筆ながら貴家のご多幸をお祈り申し上げます
季節を入れて ・新緑の清々しい日々をお過ごしください
・夏の疲れが出る頃、お体にはくれぐれもお気をつけください
・寒さ厳しき折、ご無理なさいませんように
・来年もあなたにとってよい年でありますように

結語

手紙を締めくくることばで頭語と対応させて書きます。

頭語 対応する結語 女性の場合
・拝啓
・啓上
・拝呈
・敬具(けいぐ) ・排具(はいぐ)
・拝白(はいはく)・不一(ふいつ)
・かしこ
・かしく
・謹啓
・恭啓
・粛啓
・排具(はいぐ) ・敬白(けいはく)
・謹白(きんはく)・勤具(きんぐ)
・かしこ
・あなかしこ
・前略
・略啓
・冠省
・早々(そうそう)・匆々(そうそう)
・不一(ふいつ) ・不備(ふび)
・早々
・かしこ
・あらあらかしこ
・急啓
・急呈
・急白
・早々(そうそう)・敬具(けいぐ)
・不一(ふいつ) ・不備(ふび)
・早々
・かしこ
・かしく
・拝復
・啓復
・復啓
・拝被
・勤答
・敬復
・敬具(けいぐ) ・敬白(けいはく)
・拝答(はいとう)・貴酬(きしゅう)
・かしこ
・ご返事まで
・あなかしこ

敬称・尊称

敬称は人の名前や官職の下につける相手への敬意を表すことばで、表書きの宛名と中身の敬称は必ず同じものを使います。
尊称は相手や相手のものへの尊敬の意味を込めた言葉で、同時に自分や自分側のものにはへりくだったことばを使い、書き分ける必要があります。

敬称 使い方
一般的に使用され「さま」と平仮名書きしても構わないが、その場合は目下に限られる。
殿 現在では目下に使うことば。公用文などに「様」を用いる傾向が強くあまり使われない。
後輩など目下や友人に使う
先生 恩師をはじめ医師、議員、弁護士など
御中 会社や学校、団体など組織に対しての「様」にあたる
各位 皆様方の意味で個人名を省略して多人数に宛てるときに使うが、私信ではあまり使わない。
尊称 相手側 自分側
相手/自分 ・あなた
・あなた様
・貴下
・貴君
・わたし
・私
・ぼく
・小生
両親/父/母 ・ご両親様
・ご父母様
・お父上
・ご尊父様
・お母上
・ご母堂様
・両親
・父母
・父
・老父
・母
・老母
祖父母 ・ご祖父様
・ご祖母様
・ご隠居様
・祖父
・祖母
・隠居
夫/妻 ・ご主人様
・夫君
・奥様
・御奥様
・ご令室様
・夫
・主人
・宅
・妻
・家内
家族 ・皆様
・皆々様
・ご一同様
・ご子息様
・お子様
・ご令嬢様
・お嬢様
・私ども 一同
・息子
・長男(次男)
・娘
・長女(次女)
場所/もの 住所/住居 ・御地
・貴地
・お宅
・貴宅
・そちら(さま)
・当所
・当地
・私方
・拙宅
・こちら
手紙 ・お手紙
・ご書面
・貴簡
・芳書
・手紙
・書面
・拙書
・愚状
・御厚志
・佳品
・美華
・けっこうなお品
・粗品
・粗菓
・寸志
・心ばかりの品
意見 ・ご高説
・お説
・私見
・拙見
会社など 貴(社、校、店) 当(社、校、店)

追伸

追伸は手紙の用件とは別に手紙の最後に副文として付け加えるときに使いますが、手紙は一回に一用件が基本なので長くなり過ぎないように注意します。

なお、相手が目上の人であったり手紙の内容が弔慰のときは使うことを避けます。

追伸 使い方
・追伸
・なお
・追って
・なおなお
・なおまた
・追白
加えて申し上げます
・二伸
・再伸
・再白
再び申し上げます