住宅ローン控除の適用条件に注意

住宅ローンを組んで住宅を購入すると、住宅ローン控除により所得税と住民税の還付を10年間受けることができ、一般住宅の場合、新築は10年で最大400万円、中古は最大200万円の税金が戻ってきます。

ただし住宅ローン控除を受けるためにはいくつかの条件があり、さらに中古物件は新築に比べて条件が追加されています。

還付の大きな税制度なので、購入しようとしている物件が住宅ローン控除に該当するか、必ずチェックしておきましょう。

新築・中古住宅とも共通の住宅ローン控除の適用条件

住宅ローンの借り入れ期間が10年以上であること

住宅ローンの借り入れ期間が10年以上あることが条件となります。
注意しておきたいのが、繰り上げ返済によってローン借り入れ期間の短縮を行った場合、

通算の借り入れ期間が10年未満になると住宅ローン控除は受けられない

ことです。通算なので、住宅ローンの残り期間ではないことに注意してください。

例えば、15年の住宅ローンを組んで住宅ローン控除を受け、3年後に3年の繰り上げ返済をして住宅ローン期間の残りが9年になった場合、

通算の借り入れ期間=3年(返済済み期間)+9年(繰り上げ返済後の残り期間)=12年

で引き続き住宅ローン控除を受けることができます。
ではその3年後にも3年の繰り上げ返済をして住宅ローン期間の残りが3年になった場合はどうなるでしょう。

通算の借り入れ期間=6年(返済済み期間)+3年(繰り上げ返済後の残り期間)=9年

となり、この時点で住宅ローン控除は受けられなくなります。
ただし、繰り上げ返済による住宅ローン費用の圧縮効果は高いため、住宅ローン控除を満額の10年受けてから繰り上げ返済したほうがいいのか、それとも、住宅ローン控除が打ち切られてもそれ以上に繰り上げ返済による住宅ローン費用の圧縮を選んだほうが効果が高いのか、よく検討してから選択しましょう。

 

繰り上げ返済の予定金額を借り入れ先の金融機関に伝えれば、繰り上げ返済をする前と繰り上げ返済をしたあとでの住宅ローン費用の差額を教えてくれるため、住宅ローン控除による還付分の金額との比較ができます。

年間の合計所得金額が3,000万円以下であること

その通り、年間の所得が3,000万円を超えると住宅取得控除を受けることができませんが、年間の所得が3,000万円を超えない年度は住宅取得控除を受けることができます。

合計所得金額が3,000万円を超えるかどうかの判定基準については、国税庁のサイトを参照ください。

合計所得金額3,000万円の判定

取得日から6か月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで居住していること

いつ住むかと、いつまで住んでいるかが確認されます。

住んでいるかどうかの確認は基本的に住民票で行われますが、年末等で住民票の移動が間に合わない場合は電気代やガス代の請求書などで確認されることもあります。

注意しておきたい項目が、

控除を受ける年の12月31日まで居住していること

で、建物の引き渡しを2019年の年末に受けたものの、引っ越して「実際に住む」のが2020年になったとしたら、住宅ローン控除は2020年分の確定申告で受けることになるので注意してください。

登記簿上の床面積が50㎡以上の住宅であること

床面積が50㎡以上あるかどうかは、一戸建ての場合は登記簿謄本(建物の登記事項証明書)で確認することができます。2階建てであれば1階と2階を合計した床面積が対象です。

一方マンションの場合は注意が必要で、エントランスや階段などの共用部分を除いた登記簿上の専有面積が対象になります。

登記簿上の専有面積は内法面積で記載され壁芯面積ではありません

内法(うちのり)面積=実際に居住に使用できる面積
壁芯(へきしん)面積=壁の中心線から壁の中心線までの面積
住宅販売用のチラシやパンフレットは専有面積を大きく見せるために壁芯面積を記載していることが多く、パンフレットに記載されている専有面積が50㎡そこそこの場合は登記簿面積が50㎡未満になっていないか、事前に確認することをおすすめします。

店舗併用住宅については居住用部分の床面積が半分以上であること

例えば自営業で住宅が居住用と店舗用一体の場合、半分以上が居住用の場合のみが住宅ローン控除の対象となります。

詳細は国税庁サイトも参照ください。

店舗併用住宅を新築した場合

親族から住宅取得のための個人的な借り入れをしていないこと

両親や祖父母など親族から借り入れて住宅を取得した場合は住宅ローン控除の適用外となります。

ただし適用外となるのは、

両親や祖父母など親族から借り入た金額のみ

であって、一部でも両親や祖父母など親族から資金援助を受けたからといって、借入金額の全てで住宅ローン控除が適用されないわけではありません。

ただし、住宅ローンの借り入れ額と親族からの資金援助額の合計が物件価格を上回った場合、上回った部分の金額については住宅ローン控除の対象外となります。

考え方としては、住宅価格から資金援助額を引いた額と金融機関からの融資額を比較し、いずれか低い方の金額に対して住宅ローン控除が適用されます。

具体的な例でみてみましょう。

住宅ローンの借り入れ額と援助を受けた資金の合計が住宅価格を下回る場合

◇住宅価格:4,000万円
◇金融機関から借り入れた住宅ローン借り入れ額:2,000万円
◇親族から受けた資金援助額:1,000万円

4,000万円 ー 1,000万円 = 3,000万円 > 2,000万円

住宅価格から援助を受けた金額を引いた3,000万円は金融機関からの住宅ローン借り入れ額2,000万円より高いため、住宅ローン控除は金融機関からの住宅ローン借り入れ額2,000万円全額に対して適用されます。

住宅ローンの借り入れ額と援助を受けた資金の合計が住宅価格を上回る場合

◇住宅価格:4,000万円
◇金融機関から借り入れた住宅ローン借り入れ額:2,000万円
◇親族から受けた資金援助額:3,000万円

4,000万円 ー 3,000万円 = 1,000万円 < 2,000万円

住宅価格から援助を受けた金額を引いた1,000万円は金融機関からの住宅ローン借り入れ額2,000万円より低いため、住宅ローン控除は金融機関からの住宅ローン借り入れ額2,000万円のうち、1,000万円に対してのみ適用されます。

勤務先から住宅取得のために0.2%未満の利率で借り入れをしていないこと

勤務先から無利子もしくは0.2%未満で融資をうけて住宅を取得した場合は住宅ローン控除の適用外となります。

なお、0.2%未満で融資を受けた年が1年でもあれば全ての年度において住宅ローン控除が受けられないわけではなく、

0.2%未満で融資を受けた年のみが住宅ローン控除の適用外

なので、0.2%を超えた金利で融資を受けた年は住宅ローン控除が適用されます。

なお、この0.2%未満適用除外は勤務先のみに適用されるのであって、金融機関であれば0.2%未満の金利でも住宅ローン控除を受けることができます。

詳細は国税庁サイトを参照ください。

基準利率に達しない使用者からの借入金等

居住年の前後で他の税金の優遇措置を受けていないこと

居住年およびその前後の2年ずつの計5年間で、住宅ローン控除ではない他の税金の優遇措置を受けていると、住宅ローン控除の適用外となります。

具体的には、住宅ローン控除の適用を受けようとしている住宅の前に住んでいたマイホームを売った場合に適用が受けられる可能性がある、以下5つの控除が該当します。

3,000万円の特別控除
10年超保有の税率の軽減
特定居住用の財産の買換え特例
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
※各項目は国税庁の該当ページへのリンクになっています

例えば2019年に住む場合、2017年から2021年の間に上記優遇措置のいずれかを受けた場合は住宅ローン控除は適用されません。

住宅ローン控除を受ける人自身が住む住宅であること

住宅ローン控除を受ける人自身が住むことを前提にした減税制度なので、「貸すことを前提」にした投資用ワンルームマンションや賃貸用の住宅、別荘などは対象外になります。

また賃貸用ではなくても、転勤などで引っ越しをして居住実態がない場合も住宅ローン控除の対象外となります。

中古住宅のみに追加される住宅ローン控除の適用条件

築年数や耐火構造の条件を満たしていること

◇築年数の条件

  • 鉄筋コンクリートなどで建てられた「耐火建築物」の場合:築25年以内
  • 木造などで建てられた「耐火建築物以外」の場合:築20年以内

◇耐震レベルの条件

  • 耐震基準適合証明書を取得する
  • 住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得する
  • 既存住宅売買瑕疵保険に加入する

親族などから購入していないこと

例えば親や祖父母名義の住宅を名義変更して住宅ローン融資を受けても住宅ローン控除は受けることができません。

贈与で取得した住宅ではないこと

贈与によって中古住宅を取得した場合も住宅ローン控除の対象外となります。

中古住宅に関する住宅ローン控除の詳細については国税庁のサイトも参照ください。
中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

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