賠償責任保険とは?

他人の持ち物を壊したり無くしてしまったり、事故で相手に傷害を与えてしまったり、製品や食品が原因でケガや病気になってしまったら、故意や過失を問わず損害を与えてしまった人や事業者は相手の損害を弁償する義務が生じます。

この弁償のことを「賠償」といい、例えば「賠償」は、

  • 壊したり無くした相手の物の補償
  • 相手に与えたケガの補償
  • 事故で相手が失った営業機会の損失補償
  • 相手に対する精神的な損害の補償 など

物だけではなく相手に対するケガや慰謝料も含めて償うことを意味し、多岐に渡ります。

飼い犬の責任は飼い主の責任

自分が飼っている犬が他人に噛みついてケガをさせた場合は飼い主に賠償責任が発生しますし、相手のペットを自動車はねてしまった場合も賠償責任が発生します。

同様に、

  1. お風呂を溢れさせて下の階に水漏れした
  2. ゴルフの練習場で打ち損じた打球が人にぶつかった
  3. 子供がデパートの中で走り回って高価な品物を壊した

などの場合も本人や親に賠償責任が生じます。
ここで留意しておきたいのが、例えば上記1の場合

住宅の床に欠陥がなければ水漏れしなかった

としても、水を溢れさせた本人の賠償責任が免責される(責任が免除される)わけではないということです。

事故原因の一部が他にあったとしても、被害を被った人への賠償責任がなくなるわけではなく、事故原因の他の要因については被害者への賠償とは別に対処する必要があります。

事故原因の要因は被害者にとっては関係ない話なのです。

個人賠償責任の仕組みと種類

事故によって法律上の賠償責任が生じた場合、賠償責任保険が賠償金の支払いを補償してくれます。

賠償責任保険は大きく分けて個人を対象にする保険と事業者(法人など)を対象にする保険の2つがあります。

個人を対象にした賠償責任保険

個人を対象にした賠償責任を補償する保険は「個人賠償責任保険」と言い、家族の誰か1人が加入していれば家族全員を対象とすることができます。

なお、個人賠償責任保険は単体で販売されることはほとんどなく、自動車保険や火災保険、傷害保険などの特約として加入するのが普通です。

保険種類 概要
個人賠償責任保険 個人の賠償責任に関する保険はほとんどこれだけでカバーすることができ、家族の誰か1人が加入しておけば家族全員を対象にできます。
【個人賠償責任保険の特約】
・ゴルファー保険
・スキー/スノーボード保険
・自転車保険
ゴルフ中にボールが相手にあたってケガをさせてしまった、スキーで滑っているときに転んで相手にぶつかってケガをさせた、自転車で相手にぶつかってケガをさせたなど、保険の対象となるレジャーやスポーツなどにおいて、相手に対する損害賠償責任が生じたときに補償されます。

事業者(法人など)を対象にした賠償責任保険

例えば、製品を製造しているメーカーやお店を運営している事業者は、製品の欠陥が原因で出火して使用者がやけどを負ってしまったり、お店で提供した食事が原因で食中毒が発生した場合、安全性の提供ができなかったことによる民法415条の債務不履行や製造物責任法(PL法)による損害賠償の責任が生じます。

事業者を対象にした賠償責任保険は、上記のような製造・施行・販売などの事業を行っている事業者の賠償リスクに対する専用の保険です。

業種 保険種類 事故例
家電メーカー 施設所有(管理)者賠償責任保険 製造工場が爆発し近隣の住宅に損害を与えた
生産物賠償責任保険(PL保険) 製造した家電製品が出火し使用者がやけどを負ってしまった。
食品製造業者 施設所有(管理)者賠償責任保険 製造工場から誤って廃液が流出して近くの川を汚染した
生産物賠償責任保険(PL保険) 製造した食品が原因で食中毒を引き起こした
建設業者 施設所有(管理)者賠償責任保険 会社事務所が漏水事故を起こして階下の人に損害を与えた
請負工事賠償保険 工事現場で現場内の看板が落下して通行人にケガを負わせた
幼稚園・保育園 幼稚園賠償保険 目を離している間に園児が園内でケガをした
介護事業者 介護事業者賠償責任保険 介護利用者を介抱しているときに誤ってケガをさせてしまった

賠償責任保険で支払われる保険金の内容

賠償責任保険の商品に関わらず支払われる保険金の内容はほぼ同じです。

保険の種類 内容 ポイント
物損害 修理代や物の費用 修理代もしくはその物の時価(現時点での価値)が限度です。例えば5年前に20万円で購入したパソコンが修復不能な損害の場合、20万円が必ず補償されるわけではありません。
人損害 治療費 治療の際は所属する健康保険組合に「第三者行為による傷病届け」を提出して健康保険を利用しましょう。高額になる自由診療で治療した場合、相手が賠償能力に乏しいと十分な賠償を受けられない可能性があります。
休業損害 事故で仕事を休まざるをえなくなった結果として賃金が受給できないことが保険金が支払われる条件で、会社役員など報酬が固定されている場合は休業損害の対象にはなりません。
逸失利益 事故による死亡や後遺障害を負った場合に、事故にあわなければ将来も継続して得られたであろう利益(給与・収入)のことを指します。
慰謝料 精神的苦痛に対する損害です。ケガの程度や状態や治療期間などが考慮されて賠償金が計算されます。物損は対象外です。
雑費 事故の治療のための入・通院における交通費や、その他、事故がなければ支出の必要がなかった費用も請求できます。

個人賠償責任保険とは?

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