知って得する火災保険の豆知識

全損の定義は?

結論からいうと、住めない状態になったら全損扱いになります。

おおよその保険会社では、「保険の対象である建物の焼失・流出または損壊した部分の床面積が保険の対象である建物の延べ床面積の80%以上である損害」や「建物の損害額が再取得価額(保険金額)の80%以上になった場合」のことを全損として定義しており、該当する場合は保険金額の全額が支払われます。

なお、一般的には損害保険金の支払いが1回の事故で保険金額の80%を超えた場合に保険契約は終了します。逆にいうと80%を超えない限り保険金の支払いが何回あっても、契約内容は変更されることなく満期日まで続きます。

損害を全てカバーできない場合がある

損害が発生したときは故意あるいは重大な過失や戦争・内乱などの事変や暴動によるものを除き、原則保険金が支払われます。

しかし保険金の支払いには条件があったり、自己負担金(免責金額)が設定されている場合があります。

例えば「水災」では、

◇再調達価額の30%以上の損害が発生した場合
◇床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水による場合

に限って保険金が支払われる場合がほとんどです。

また、「破損・汚損等」では、建物・家財それぞれに1万円の自己負担額が設定されていたり、家財の場合は1個または1組ごとに30万円が限度になっていたりします。

このように保険商品には支払い条件や自己負担金が設定されていており、保険会社によって設定内容も異なるので、どのような損害に対してどのような条件で保険金が支払われ、そしていくらぐらいの自己負担金(免責金額)が設定されているか理解したうえで、自分にとって必要な補償を検討しましょう。

賃貸住まいの人必見!借家人賠償責任保険

普段の生活でうっかり窓ガラスや洗面器具を壊したり、壁紙を破損・汚損したような場合は借主が損害を補償する義務(善管注意義務、現状回復義務)があり、これらは「借家人賠償責任保険」で補償することができます。

また、例えばお風呂にお湯を張るためにお湯を出しっぱなしにして階下に損害を与えてしまったような場合は、「個人賠償責任保険」で補償することができます。

ただしこれら賃借人にとって必要な「借家人賠償保険」や「個人賠償責任保険」は単独では加入することができず、「借家人賠償保険」は家財の火災保険と、「個人賠償責任保険」は火災保険や自動車保険、傷害保険とセットで加入することができます。

よって、通常は賃貸住宅を借りるときに「家財の火災保険」に加入することが義務付けられています。

普段の生活でいざという時に役に立つ「借家人賠償保険」や「個人賠償責任保険」は是非加入を検討しておきたい保険の一つです。

住宅ローンを組んでいる方の火災保険

住宅ローンを組んで長期の火災保険契約を結んでいる方は、住宅ローンを組んだ当時の借入額をそのまま火災保険の保険金額として契約している場合があり、契約から10年以上、かなりの年月が経過しているときは保険金額が実態に即した適正な金額になっているか、見直すことをおすすめします。

また同じく家財についても長期間契約の間に家族構成の変化などによって家財道具が増減し、保険契約が実態に即していないことも考えられます。

家財の保険金額は契約期間中に増額・減額することができるため、適宜見直しましょう。

なお、旧:住宅金融公庫(現:住宅金融支援機構)で住宅ローンを組んだ方が契約している特約火災保険は建物のみが保険対象となっていますので、家財も保険対象にしたい場合は別途家財の火災保険を契約しましょう。

火災保険の保険料を安くする

水災や風災を補償対象外にする

大雨や集中豪雨による浸水や水害、土砂崩れに損害は「水災」で、台風や雪などによる損害は「風災」で補償されますが、浸水リスクのない高台の住宅やマンションの上層階であれば補償の対象を不担保によって保険料を大幅に減らすことができます。

ただし、過去の歴史にもみられなかったような大災害が絶対に起こらない可能性はなく、最低でも、

  • 洪水ハザードマップ
  • 浸水予想区域図
  • 浸水履歴図
  • 土砂災害警戒区域

などの情報を参考にしたり、土地の立地条件や建物の構造・築年数など、さまざまな条件を十分に加味したうえで補償対象外にするかどうかを検討しましょう。

木造住宅は省令準耐火構造にする

火災保険の保険料は建物の構造により大きく左右されます。

木造住宅のなかには保険料が割高な「H構造(非耐火構造)」と保険料が割安な「T構造(耐火構造)」の2種類があり、保険会社や保険商品、所在地により異なりますが、おおよそ「H構造」の建物は「T構造」の建物の倍近くの保険料になります。

よって、これから木造住宅の建築を考えている方はなるべく「T構造」に該当する建物を建築することで、火災保険の保険料を大幅に節約することができます。

また、建物の標準仕様が「H構造」に該当する一般的な木造住宅を「T構造」の建物に該当する省令準耐火構造に仕様変更する場合、延べ床面積や施工会社にもよりますが、おおよそ30万円~60万円程度の追加費用で実施可能な場合もあります。

仮に省令準耐火構造への仕様変更の施工金額が保険料の差額と同等程度になったとしても、「T構造」仕様の建物とすることで耐火性能は確実に高くなるので、機会があれば是非検討してみましょう。

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