そもそも自賠責ってどんな保険?

2018年1月8日

自賠責とは、

自動車賠償責任保険

の略称で、通称「強制保険」とも言われます。
民間の保険会社ではなく国が始めた対人の保険制度で、公道を走るバイクや車には加入が義務付けられています。

自賠責保険未加入だと法律違反

自賠責保険に加入しないまま運転すると、

「1年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金」
「免許停止処分で違反点数6点」

という罰則を受けることになります。また自賠責に加入しないと車検が必要な車は車検を受けることができません。

逆に車検が不要な250cc未満のバイクや原付は自分で加入しなければならないので、自賠責保険の満期を自分で管理するなど注意が必要です。

自賠責保険の保障範囲は?

他人に対する損害の補償のみ

なので、例えば自動車の損害は保障されません。
下記表は被害者一人あたりの補償内容ですが、一つの事故で被害者が複数の場合は補償が分割されることはなく、それぞれの被害者にこの補償内容が適用されます。

【自賠責保険の補償一覧】

損害内容 支払限度額 支払い対象 補償内容 補償対象 支払基準および支払金額
死亡事故 3,000万円 本人1名 葬儀費 通夜、祭壇、火葬、墓石などの費用(墓地、香典返しなどは除く)。 60万円が支払われ、立証資料等によって、これを明らかに超えるなら、100万円までで妥当な額が支払われます。
逸失利益 被害者が死亡しなければ将来得たであろう収入から、本人の生活費を控除したもの。 収入および就労可能期間、そして被扶養者の有無などを考慮のうえ算出します。
慰謝料 被害者本人の慰謝料。 350万円が支払われます。
遺族の慰謝料は、遺族慰謝料請求権者(被害者の父母、配偶者及び子)の人数により異なります。 請求者1名で550万円、2名で650万円、3名以上で750万円が支払われ、被害者に被扶養者がいるときは、さらに200万円が加算されます。
後遺障害 4,000万円 ※1 神経系統の機能や精神・胸腹部臓器への常時介護を要する著しい障害(第1級) 逸失利益 身体に残した障害による労働能力の減少で、将来発生するであろう収入減。 収入および障害の各等級(第1~14級)に応じた労働能力喪失率で、喪失期間などによって算出します。
3,000万円 ※1 神経系統の機能や精神・胸腹部臓器への随時介護を要する著しい障害(第2級) 慰謝料等 交通事故による精神的・肉体的な苦痛に対する補償。 ※1の場合、(第1級)1,600万円、(第2級)1,163万円が支払われ、初期費用として(第1級)500万円、(第2級)205万円が加算されます。
3,000万円~75万円 上記1以外の後遺障害第1級~第14級 ※1以外の場合、(第1級)1,100万円~(第14級)32万円が支払われ、いずれも第1~3級で被扶養者がいれば増額されます。
傷害 120万円 本人1名 治療費 診察料や手術料、または投薬料や処置料、入院料等の費用など。 治療に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。
看護料 原則として12歳以下の子供に近親者等の付き添いや、医師が看護の必要性を認めた場合の、入院中の看護料や自宅看護料・通院看護料。 入院1日4,100円、自宅看護か通院1日2,050円。これ以上の収入減の立証で近親者19,000円、それ以外は地域の家政婦料金を限度に実額が支払われます。
諸雑費 入院中に要した雑費。 原則として1日1,100円が支払われます。
通院交通費 通院に要した交通費。 通院に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。
義肢等の費用 義肢や義眼、眼鏡、補聴器、松葉杖などの費用。 必要かつ妥当な実費が支払われ、眼鏡の費用は50,000円が限度。
診断書等の費用 診断書や診療報酬明細書などの発行手数料。 発行に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。
文書料 交通事故証明書や印鑑証明書、住民票などの発行手数料。 発行に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。
休業損害 事故の傷害で発生した収入の減少(有給休暇の使用、家事従事者を含む)。 原則として1日5,700円。これ以上の収入減の立証で19,000円を限度として、その実額が支払われます。
慰謝料 交通事故による精神的・肉体的な苦痛に対する補償。 1日4,200円が支払われ、対象日数は被害者の傷害の状態、実治療日数などを勘案して治療期間内で決められます。

自賠責保険と任意保険の違いは?

上記の表のとおり、自賠責保険には任意保険と違って限度額があり、事故内容によっては自賠責保険の補償額では不十分な場合が想定されるのですが、もう一つの大きな違いに、

加害者側にのみ過失の証明責任がある

というのがあります。つまり自賠責保険の場合は、

加害者が自分に過失がなかったことを証明できない限り被害者に対する賠償責任を負う必要がある

のです。また通常、被害者側におおよそ7割以上の過失がない限り補償額は減額されないので、被害者にとって手厚い保険といえます。

この違いは、自賠責保険は「自動車損害賠償保障法」という国が制定した法律によって運用されているのですが、通常、自賠責保険では補償額が足りない場合を考えて加入する任意保険は「民法」をベースに作られており、民法は「過失責任主義」を原則としているので、任意保険での賠償範囲は加害者側の過失分のみとなるところからきています。

つまり任意保険の場合は自賠責保険とは逆に、

被害者側が加害者側の過失を証明しなければならない

のです。

自賠責保険における加害者と被害者の定義>>

任意保険の役割は

自賠責保険では足りないであろう補償の不足分を補う役割があり、加入が義務付けられている自賠責保険で補償されない相手の車や物や自分自身のケガを補償することができます。

例えば自賠責保険では対人賠償の限度額が3,000万円ですが、現実には1億円越えの賠償が認定される判決もめずらしくありません。
3,000万円を超えた分の賠償は加害者自身で行う責任がありますが、現実的には一生をかけて数千万円の補償を行うことになる可能性があります。

任意保険に加入することで、補償のリスクを事前に回避することができます。

自賠責および任意保険の補償範囲
身体の損害 物の損害
相手への補償 自賠責保険 任意保険
(対人賠償責任保険)
任意保険
(対人賠償責任保険)
自分の補償 任意保険
(人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険など)
任意保険
(車両保険)

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