自動車保険の保険料はどうやって決まる?

自動車保険は5つの補償からできていますが、保険金額の設定によって保険料が変わるのは言うまでもなく、車種や形式、使用目的や使用地域、年齢条件など、様々な条件によって保険料が決まります。

まず最初に保険料が決まる各種条件とは何か、保険料見直しのポイントはどこか、整理しておきましょう。

保険料が決まる各種条件は?

保険料が決まる各種条件
条件 内容
車種 自家用普通乗用、自家用小型乗用など、車検証に記載の車種
形式 DBA-NSP130など、車検証に記載の形式
等級 7等級など、加入している保険の利用状況に応じて保険会社が設定している割引き等級
免許の色、使用目的、使用地域など リスク細分型の自動車保険で採用されている条件で、免許の色や使用目的や使用地域、走行距離など、車の使用環境を考慮した条件。
またエコカー割引きや盗難装置割引きなど、車の状態による割引き制度もある。
乗る人 乗る人の年齢や乗る人を限定することによって保険料が割引きされる

車を買い替えたり免許条件や使用目的が変わらなければ乗る人以外の条件は変更できず、その他任意で決めることができる、

  • 年齢条件
  • 乗る人
  • 各種補償オプション
  • 免責金額

などに注目して自動車保険を見直すことになります。

保険料が決まる条件:自動車の種類

自動車保険の保険料は車種や形式によって異なり、大きく下記区分となっています。

自動車の種類
1 自家用普通乗用
2 自家用小型乗用
3 自家用軽四輪乗用
4 自家用軽四輪貨物
5 自家用小型貨物
6 自家用普通貨物(0.5t以下)
7 自家用普通貨物(2t以下)
8 特殊用途自動車(キャンピングカー)
9 自家用二輪自動車
10 原動機付自転車

この種類は法律で定められている分類で、このうち登録台数が最も多い自家用普通乗用、自家用小型乗用については個々の形式ごとに保険料を定めるため、ほとんどの保険会社が「形式別料率クラス」という制度を採用しています。

これに比べて軽四自動車や貨物自動車の場合はメーカー・形式問わず各々の料率は一律となっていますが、軽四自動車(軽自動車)については2020年1月までに「形式別料率クラス」が導入されます。

「形式別料率クラス」は車の形式ごとに4種類のリスクがあり、その4種類のリスクに対して1~9段階の料率クラスが設定されています。

この形式とは、車検証に記載の「E-CE9A」などの-(ハイフン)の右側を指します。

料率クラスとは?

損害保険料率算出機構が半年ごとに形式ごとの事故頻度や支払保険金などのデータを集計し、それをもとにクラス分けしています。

損害保険料率算出機構とは
「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて業務を行っている民間の非営利組織で、損害保険料率算定会と自動車保険料率算定会の再統合により2002年(平成14年)に設立されました。
損害保険の保険料率の基礎となる参考純率や基準料率を算出して各保険会社に提供したり、自賠責保険の損害調査などを主な業務としています。

料率クラスは対人、対物、傷害(搭乗者傷害保険・人身傷害)、車両の4つのリスクに対して9段階のクラス分けになっており、事故が多い形式ほど保険料が高く設定されています。

料率クラス
リスク クラス
対人賠償 1~9段階
対物賠償 1~9段階
傷害(搭乗者傷害・人身傷害) 1~9段階
車両 1~9段階

形式ごとに設定されるので、車種が同じでも形式が異なれば保険料が異なる場合があります。

注意しておきたいのは、以前は損害保険料率算出機構が算出する保険料率を各保険会社が順守することが義務付けられていたのですが、1998年(平成10)からこの順守義務が撤廃され、各保険会社で独自に経費や利益を上乗せして保険料を決めることが可能となりました。

よって、全くの同一条件でも保険会社によって保険料に違いが出てくるのです。

保険料が決まる条件:ノンフリート等級別料率制度

保険料が決まる条件の一つに「等級別料率制度」があり、これは、保険を何度も使う人と全く使わない人の間で不公平が生じないよう、同じ補償内容でも保険の利用状況によって保険料に差をつける仕組みのことです。

「ノンフリート等級別料率制度」の「ノンフリート」とは、車の所有台数が9台以下のことを指すので、ほとんどの個人はこの制度が適用されます。

等級は保険会社間で情報を共有しているので、保険会社を変更した場合でも等級が引き継がれる仕組みになっていますが、一部の共済では等級の引き継ぎができないので注意が必要です。自動車保険の等級継承>>

等級は6等級を基準保険料とし、初めて自動車保険に加入する場合は6等級からスタートします。その際の割増引きは運転者の年齢条件によって異なり、割引が進むと7,8,9等級というように等級が上がります。

例えば26歳以上という年齢条件であれば、保険料は9%割引きからスタートとなります。

なお、2台目の自動車の保険を新規契約する場合、条件を満たせば

複数所有新規(通称:セカンドカー割引)

として新規契約でも一つ上の7等級からスタートすることができます。
このセカンドカー割引は異なる保険会社でも適用できるので、積極的に利用しましょう。

新規契約の場合の6等級割増引き
運転者の年齢条件 割増引率
全年齢補償 28%割増
21歳以上補償 3%割増
26歳以上補償 9%割増
年齢条件対象外の車両 4%割増

その後1年間まったく保険を使わないと等級が一つ上がり、翌年度は7F等級の30%割引きが適用されます。

継続契約の場合の割増引き
等級 1 2 3 4 5 6F 7F 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
割増引(%)
[事故無]
+64 +28 +12 -2 -13 -19 -30 -40 -43 -45 -47 -48 -49 -50 -51 -52 -53 -54 -55 -63
割増引(%)
[事故有]
-20 -21 -22 -23 -25 -27 -29 -31 -33 -36 -38 -40 -42 -44

等級は保険を使わなければ1年に1等級ずつ上がり、上限は20等級です。
逆に保険を使うと基本的には1件につき3等級下がり、等級が下がるだけでなく事故で保険を使った人専用の割増引率[事故有係数]が1件につき3年間適用されます。

※保険商品によっては1年に1回の保険使用のみでは等級が下がらず継続できるものもあります

等級ダウンによる保険料割増引率の例

割増引率とは保険料に適用される割増しや割引きのことで、契約の条件によって割増引が適用されます。ここでは等級が下がる場合の保険料の割増し例をご紹介します。
なお、等級による保険料の割増引率は20等級が最大で1等級が最小となります。

15~20等級の場合
料率クラス
等級 割引率 保険料 事故による等級ダウン
20等級 63% ¥37,000
19等級 42% ¥58,000 1等級ダウン
17等級 38% ¥62,000 3等級ダウン

20等級のドライバーが63%割引で3万7000円の保険料支払いだった場合、1等級ダウン事故を起こすと42%割引となって5万8000円、3等級ダウン事故だと38%割引で6万2000円の保険料になります。

料率クラス
等級 割引率 保険料 事故による等級ダウン
15等級 51% ¥49,000
14等級 31% ¥69,000 1等級ダウン
12等級 27% ¥73,000 3等級ダウン

15等級のドライバーが51%割引で4万9000円の保険料支払いだった場合、1等級ダウン事故を起こすと42%割引となって6万9000円、3等級ダウン事故だと27%割引で7万3000円の保険料となり、割引率は約30~40%まで低下してしまうことが分かります。

1~4等級の場合
料率クラス
等級 割増引率 保険料 事故による等級ダウン
4等級 2%(割引) ¥98,000
3等級 12%(割増) ¥112,000 1等級ダウン
1等級 64%(割増) ¥164,000 3等級ダウン

4等級の保険料は2%割引で9万8000円ですが、1等級ダウン事故を起こすと12%割増で11万2000円、3等級ダウン事故を起こすと一気に64%割増で16万4000円となります。
割増率は64%が最大なので、3等級のドライバーが3等級ダウン事故を起こした場合や、2等級と1等級でダウン事故を起こした場合も割増率は変わりません。

1等級では保険に加入できない可能性も

最も事故リスクが高いとされる下限の1等級ではもともと64%割増が適用されているためダウン事故を起こしても支払う保険料額は変わりませんが、再度事故を起こす可能性が高いとみなされ、翌年度はどの保険会社も契約を引き受てくれない可能性が高くなるので注意が必要です。

保険を使っても等級が下がらないケース

補償内容によっては等級が一つしか下がらない場合や、そもそも等級には関係ないケースがあります。

ノーカウント事故

ノーカウント事故とは等級に影響がない補償のみを利用した事故のことで、下記保険や特約のみを使う場合は等級は下がらず、翌年には通常通り1等級上がります。

  • 人身傷害補償保険
  • 搭乗者傷害保険
  • 無保険車傷害保険
  • 弁護士費用特約
  • 個人賠償特約
  • ファミリーバイク特約
  • 代車費用特約
  • その他保険会社が定める事故
1等級下がる事故

車両保険のみの事故で事故原因が下記の場合は、翌年度の等級は事故1件につき1等級だけ下がり、1年間の「事故有係数」が適用されます。

  • 火災、爆発、台風、竜巻、洪水、高潮による損害
  • 落書き、窓ガラス破損、いたずら、盗難による損害
  • 飛来中もしくは落下中の他物との衝突による損害

保険料が決まる条件:免許の色や使用目的など

自動車保険には従来通りの条件に加えてさらに細かい条件を加味して保険料が決まるリスク細分型保険が主流になっており、リスク細分型の自動車保険の条件で代表的なものが「免許証の色」と「使用目的」となっています。

免許の色

免許の色には「ゴールド」「グリーン」「ブルー」があり、ゴールド免許が最も保険料が安くなります。この免許証の色は、

保険開始時点での色

を告知することになっていて、保険期間途中で免許証の色が変更になったとしても保険料に変更はありません。
ただし契約時に誤った情報を伝えると、告知義務違反で保険金が支払われない可能性があるので注意しましょう。

免許の使用目的

使用目的には

  • 業務使用
  • 通勤/通学使用
  • 日常/レジャー使用

があり、おおむね次の基準で判断されます。

◇業務使用⇒年間を通して月平均15日以上車を使用するか
◇通勤/通学使用⇒年間を通して月平均15日以上車を使用するか
◇日常/レジャー使用⇒上記いずれにも該当しない場合

ただし保険会社によって使用目的の区分や基準が異なるため、注意が必要です。

使用目的の各社ごと分類例
目的 基準
3区分の保険会社 業務使用 年間を通して月15日以上の使用がある場合
通勤/通学 年間を通して月15日以上の使用がある場合
日常/レジャー 上記以外
2区分の保険会社 業務使用 年間を通して月15日以上の使用がある場合
日常/レジャー 上記以外

「通勤/通学」がメインの人は2区分の保険会社だと「日常/レジャー」扱いになるので、3区分の会社と比べると保険料が安くなる可能性があります。

免許の色と使用目的による年間保険料例
区分 ブルー ゴールド
業務使用 ¥112,540 ¥101,820
通勤/通学使用 ¥107,280 ¥96,840
日常・レジャー使用 ¥101,780 ¥92,080

なお、保険期間の途中で使用目的が変更になった場合は保険会社へ通知する必要があります。
通知を怠ると保険金が支払われない可能性があるので注意しましょう。

使用地域

車の使用地域(都道府県)によって事故の頻度が大きく変わると言われ、警察庁の「都道府県別交通事故発生状況」でも地域ごとの差が見て取れます。
特に通販系の保険会社に多いのですが、車の使用地域によるリスクの違いを保険料に反映させています。

都道府県による年間保険料の例
都道府県 年間保険料
北海道 ¥32,790
青森 ¥30,040
東京 ¥32,120
富山 ¥33,890
大阪 ¥34,080
香川 ¥33,120
福岡 ¥31,780

保険期間中に引越しをして住所が変更となった場合、保険会社に届出をして保険料を変更する場合があります。

走行距離

リスク細分型の自動車保険では、年間のおおよその走行距離が保険料に反映される商品があります。
距離の区分は保険会社によって異なりますが、走行距離が多くなると保険料は高くなるため、概ね年間1万㎞以上走る人は走行距離を保険料に反映させない商品に加入したほうが保険料が安くなる場合があります。

走行距離の区分と年間保険料の例
年間最大走行距離区分 年間保険料
3,000km以下 ¥35,010
5,000km以下 ¥37,460
7,000km以下 ¥39,120
9,000km以下 ¥42,850
11,000km以下 ¥45,080
16,000km以下 ¥53,120
無制限 ¥57,780

保険料が決まる条件:誰が乗るか

年齢条件

車に乗る人の年齢によって保険料が変わり、一部の保険会社を除いて年齢条件は概ね下記パターンとなっています。

年齢条件区分
パターン1 年齢を問わず補償
21歳以上補償
26歳以上補償
35歳以上補償
パターン2 年齢を問わず補償
21歳以上補償
26歳以上補償
30歳以上補償
パターン3 年齢を問わず補償
21歳以上補償
26歳以上補償
30歳以上補償
35歳以上補償

年齢条件が若いほど保険料は割高になりますが、高齢者事故の増加に伴って主に運転する人が高齢になると保険料が高くなることがあります。

運転する人

運転する人を限定するほど保険料が安くなり、以下3つの条件があります。

運転者限定特約例
特約名 運転者の範囲
家族限定特約 本人+本人の配偶者+同居の親族+別居の未婚の子
本人・配偶者限定特約 本人+配偶者のみ
本人限定特約 本人のみ

運転者を限定すればするほど保険料は安くなりますが、限定した運転者以外の人が運転して事故を起こすと保険は一切使えませんので、実際の利用シーンを想定して検討することが重要です。

運転者限定、年齢条件見直しのポイント例
たとえば どうする
夫婦二人しか運転しない 本人・配偶者限定にして年齢条件はどちらか若いほうに合わせる
子供が免許を取って家の車を運転しそう 家族限定にして年齢条件を子供に合わせる
息子夫婦が近くに引っ越してきて時々家の車を運転しそう 年齢条件は変更せずに運転者限定条件を「なし」にする

自動車保険の比較ポイント

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