交通事故現場での必要措置

2017年10月20日

死傷事故や物損事故を起こした場合、道路交通法第72条第1項で運転者が事故現場で行わなければならない措置が4つ定められています。

事故を起こした運転者が事故現場で必ずすべきこと
◇運転の停止
◇負傷者の救済
◇危険防止の措置
◇警察への通報

交通事故における運転当事者がしなければいけない4つの措置

運転の停止

運転者が交通事故を起こした場合はただちに運転を停止し、死傷者の有無、車の破損状況、道路上の危険の有無など事故現場の状況を確認しなければなりません。

負傷者の救護

負傷者がいる場合は救急車を呼ぶなど、負傷者を救護する義務があります。
できれば止血などの応急措置を取りたいものですが、負傷者が頭部や内臓への損傷を受けていたり、負傷の程度が外部からでは判別できない場合もあります。

むやみに負傷者を動かさないほうがいい場合も十分考えられるので、救急車を呼んだらまず後続車に轢かれたりなど、二次災害が起きないように周りの安全確保に努めましょう。

危険防止の措置

三角停止版や発炎筒の設置で後続車に危険を知らせたり、可能であれば事故車両の安全な場所への移動、道路に散乱した障害物の除去など、二次災害が起きないように危険防止措置を講じる必要があります。

なお、三角停止版や発炎筒の設置場所は こちら を目安にしてください。

警察への通報

事故の発生日時・場所・死傷者の数・負傷者の負傷の程度・損壊物の程度および現状の措置などを警察に報告する義務があります。

これら4つの措置(道路交通法第72条第1項)の留意点

◇ただちに実施する必要があります
◇ひとつでも措置を怠ると罰則があります

道路交通法七二条一項違反の罰則
措置義務 違反の罰則
人身事故 物損事故
◇運転停止・事故状況の確認 5年以下の懲役または50万円以下の罰金
(一一七条)
1年以下の懲役または10万円以下の罰金
(一一七条の五第一号)
◇負傷者の救護
◇道路上の危険防止
◇警察への通報 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金
(一一九条一項一〇号)

救護措置や警察連絡の他に現場で実施しておきたいこと

迅速な解決・事後トラブル未然防止のために
◇事故現場は救護や安全確保の必要性を除きできるだけ現状を確保する
◇カメラで現場写真を撮るかカメラがない場合は事故に至る経緯をメモしておく
◇目撃者がいたら協力のお願いと連絡先を聞いておく
◇事故の目撃者の言質を取っておく
◇家族や勤務先に連絡する
◇保険会社に連絡する

事故でなんらかの人的・物的損害が発生した場合は後に損害を賠償する必要があります。
事故現場や人の記憶は時間とともに風化・薄れていくので、事故直後で気が動転しているとはいえ状況をできる限り把握しておくことに越したことはありません。

特に事故被害者がしておくべきこと

幸いにして怪我を免れた場合に限りますが、加害者および当事者の情報と現場状況を必ずおさえておきましょう。

加害者情報の確認
◇運転免許証による氏名・住所・本籍の確認および車両ナンバー
◇名刺などによる勤務先情報(会社名・電話)
◇自宅および普段の連絡先(携帯電話番号および固定電話番号)
※必ずその場で電話をかけて間違いがないか確認してください
現場状況の把握と連絡
◇事故に至るまでの経緯
◇事故当時の状況
◇事故後の経過
◇上記のメモおよび現場の撮影もしくは現場の簡易地図の作成
◇目撃者となる第3者の確認と連絡先入手のお願い
◇保険会社への連絡
◇家族・勤務先への連絡

とはいえ、これらを事故直後で気が動転していたり負傷しているときにおこなうのは困難です。
被害者の負傷度合いがひどくまともに証言ができない故に、加害者側の言い分が一方的に採用されてしまうこともありえます。

こんな時のために、ドライブレコーダーの設置を強くおすすめします。
ドライブレコーダーは映像として記録が残るために証拠能力が高く、裁判となった場合でも証拠として採用されます。

ドライブレコーダーはどれを選べばいいの?プライバシーの侵害にならない?
ドライブレコーダーの疑問については、ドライブレコーダーQ&A を参照ください。

事故現場に警察が到着すれば実況見分に立ち会って調書を作成することになりますが、上記をまとめておくと事後処理がスムーズになります。
これら証拠は、保険金請求のための書類作成時に必要となる非常に重要な情報です。

なお、これらの情報を元に作成される交通事故証明書は保険金請求時に必須ですが、例えば事故現場ではケガがないと判断して帰宅したが、後日ケガが発覚し警察に人身事故の切り替えを申し出たものの受け付けてもらえなかった、など、正当な理由 があれば、人身事故証明書入手不能理由書を添付することで保険金の請求が可能になります。

ただし、この人身事故証明書入手不能理由書は、保険会社などで用意されているいわゆる

「自賠責保険のご案内」セット

には含まれていません。人身事故証明書入手不能理由書とはどのようなものでどのように記述すればいいか、については、

保険会社から入手できない請求関連書類

を参照ください。人身事故証明書入手不能理由書の無料フォーマットもダウンロードできます。

知っておきたい実況見分のポイント

医療機関での診察

事故当時は痛みがなくても、例えば内臓損傷など少し時間が経過してから重篤となる場合があります。

また交通事故による損害賠償額の算定は負傷の完治または症状固定(治療を続けても症状の改善が見込めない状態)が基準になります。

身体のためにも、そして損害額算定のためにも、加害者・被害者を問わず、事故によって少しでも衝撃を受けた当事者は必ず医療機関で診察を受けましょう。

交通事故現場でしてはいけないこと

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